大学へ入学した私は、ある程度の規制はあったものの、全て自由に選択できる科目の中から、受講を決めた日本美術史の講義がこれからの学生生活を大きく決めることになるとは、思わなかった。
 日本美術史の教授の講義を聴き、美術史という学問に、なぜか魅力を感じるようになった(幼少の頃、習い事として絵画の教室に通っていたせいか・・・)。
 美術史の教授に、何から勉強を始めれば良いかとたずねたところ、「先ずは色々な図録を見て、自分が一番好きだと思う絵画を見つけることだ」との指導を受け、それから、時間があれば、大学の図書館で、図録などをひたすら見る日々が続く(美術館・博物館へは金銭的な理由で行けなかった)。
 数ある絵画の中で、室町時代の水墨画、特に、山水画に惹かれるようになっていた。あえて理由を述べると、白と黒の幻想的な世界が広がる神秘的な自然空間の中へ引き込み、私の心を和ませる山水画に魅せられた(美化しすぎかも・・・・)。
 そして、水墨画に対する思いから、水墨画の発祥地である中国大陸へ、学生時代、2度赴くことになる。
 一度目は、初めてということもあり、友達と二人で、大陸内の視察も兼ねながら、美術館・博物館で、美術品を見てきた(それ程多くないけど・・・)。
 二度目は、卒論で扱うことに決めた景勝地湖北・湖南省に位置する洞庭湖へ、この地を描いた山水画や、故人がその美しさを詠った詩や紀行文からイメージした雰囲気とどのように違うのか、一人で一ヶ月位滞在し見てきた。
 また、大学卒業後、さらに中国の雰囲気を味わいたいと考え、日本語教師として、縁があった吉林省延辺朝鮮自治区延吉市へ赴くことになる。
 このホームページでは、それらを総括して、大きく分けて、美術・旅行・滞在の三つのカテゴリーで掲載していくことにした。
 以上、このホームページを作成するにあたってのプロローグとしたい。